大阪市で民泊を始める前に。明暗を分けるのは「道路の幅」という条例の中身
公開: 2026-08-05|運営: ubusuna works
この記事の結論
大阪市では、住居専用地域で営業できるかどうかが「前の道路の幅」で線引きされます。学校の周りでは平日の営業ができない区域もあります。届出の前後にも条例が求める手続きがあります。
誰向けか: 大阪市で民泊を始めようとしているオーナー
- 物件の前の道路の幅が条例の基準を満たすか
- 学校の周りの区域に入っていないか
- 届出の前後に必要な手続きを確かめたか
住居専用地域だから、この物件は民泊に向かない。そう判断して大阪市内の候補物件を外した人は、少なくない数いるはずだ。
半分は正しい。もう半分は、道路の幅を測っていないだけかもしれない。
住宅宿泊事業法第18条は、生活環境の悪化を防ぐ必要があるとき、自治体が条例で区域や期間を上乗せ規制できると定めている。大阪市はこの権限を使い、「大阪市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」(令和2年4月1日施行、令和4年4月1日改正)で、二種類の制限を敷いた。一つは区域、もう一つは曜日である。
低層・中高層の住居専用地域は、道路幅で線引きされる
条例が全期間営業を禁じるのは、都市計画法第8条第1項第1号に規定する第一種・第二種低層住居専用地域と、第一種・第二種中高層住居専用地域である。ここまでは「住居専用地域は無理」という思い込み通りだ。
ところが、条例には例外が一つ書いてある。敷地が幅員4メートル以上の道路に接していれば、この禁止の対象から外れる。同じ住居専用地域の中でも、敷地の前の道路を測るだけで、営業できる側とできない側に分かれる。
候補物件が住居専用地域に入っていると分かった時点で判断を終わらせず、前面道路の幅員を確認する作業が、もう一段階必要になる。
学校の周りでは、平日を明け渡すことになる
もう一つの制限は、区域ではなく曜日にかかる。学校教育法第1条に規定する小学校・義務教育学校の敷地から100メートル以内では、月曜日の正午から金曜日の正午まで営業できない。
平日は明け渡し、週末だけ営業する。年間180日という新法の上限が、この区域では「使える180日」の中身までさらに絞られることになる。子育て世帯の多いエリアに掘り出し物件を見つけたときほど、この距離を測る価値がある。
届出の前後にも、条例が仕事を課している
区域と曜日の話が終わっても、条例の要求はまだ残っている。届出前には、周辺住民への事前周知(様式1)を済ませる必要がある。届出の際には、消防法令に適合していることを証明する消防法令適合通知書の添付が求められる。開業後は、家主居住型・家主不在型(自主管理・委託管理)のそれぞれに応じた様式の標識を、公衆の目につく場所に掲示する義務が続く。
委託先を探している段階なら、ここまでの手続きを代行してくれるかどうかが、管理業者選びの実質的な比較軸になる。
大阪市内の物件を検討しているなら、住居専用地域かどうかを都市計画図で確認し、前面道路の幅を測り、最寄りの小学校・義務教育学校までの距離を確認する。この三つがそろって、ようやく「この物件で何日、何曜日に営業できるか」が決まる。窓口で確認する前に、この計算だけは自分でやっておいたほうがいい。
※ 条例・運用基準は改正されることがある。本記事は2026年8月5日に大阪市公式サイト「住宅宿泊事業について」(大阪市保健所環境衛生監視課)の掲載内容を確認して書いた概説であり、最新の区域指定・様式は同課の窓口で確認してほしい(相談は事前予約制)。
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