民泊の管理を自分でやれる条件と、委託が必要になる境目

公開: 2026-08-08|運営: ubusuna works

この記事の結論

宿泊者が泊まっている間に建物にいるなら、自分で管理できます。いない(家主不在型)なら委託は義務です。自分でやる場合も、法律が定める業務の中身は同じように求められます。

誰向けか: 管理を自分でやるか、委託するかを決めかねているオーナー

  1. 宿泊者が泊まっている夜、その建物にいるか
  2. 自分でやる場合、苦情対応を24時間受けられるか
  3. 委託した場合の費用と比べたか

民泊を始めるとき、多くの人が最初に突き当たるのが「管理会社に頼まないといけないのか」という問いです。 委託すれば毎月の費用がかかります。自分でやれるなら、その分は手元に残る。

結論から書くと、自分でやれる場合と、法律上必ず委託しなければならない場合が、はっきり分かれています。 分かれ目は「あなたがその家に住んでいるか」と「何室あるか」の2つです。

委託が義務になるのはどんなときか

住宅宿泊事業法11条は、次のいずれかに当たる場合、住宅宿泊管理業者への委託を義務づけています。

状況委託
届出住宅に居住していない(家主不在型)必須
居住しているが、居室が5を超える必須
宿泊者の滞在中、不在になる(日常生活に必要な範囲の外出を除く)必須
居住していて、居室5以下で、滞在中も在宅自分でできる

出典: 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第11条 https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=429AC0000000065

「居住している」は住民票の話ではなく、生活の本拠として使っているかで判断されます。 週末だけ使う別荘は、通常ここに当たりません。

「日常生活に必要な範囲の外出」は、国土交通省・厚生労働省・観光庁の 「住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)」で、原則1時間、最長でも2時間程度が目安とされています。 買い物や食事のための外出は認められますが、宿泊者を残して長時間出かける運用はできません。

自分でやる場合に、実際に何をするのか

委託しない場合、住宅宿泊事業法5条〜10条が定める業務を、すべて自分で負います。

  1. 宿泊者の衛生の確保(居室の清掃、寝具の交換)
  2. 宿泊者の安全の確保(非常用照明器具、避難経路の表示、火災時の通報体制)
  3. 外国人宿泊者への対応(外国語での設備の使い方・移動手段・緊急時の連絡先の説明)
  4. 宿泊者名簿の備付け(3年間の保存。本人確認が必要)
  5. 周辺住民への悪影響の防止(騒音・ごみ処理の説明)
  6. 苦情への対応(宿泊者の滞在中に限らず、深夜・早朝を問わず応じる必要がある)
  7. 標識の掲示(届出住宅の見やすい場所)

このうち実務で重いのは4と6です。名簿の本人確認は、対面またはICTを使った方法で 「顔と旅券」を確認する必要があり、鍵の受け渡しを無人化していても省けません。 苦情対応は時間帯を選べません。「昼間は本業がある」という条件と、最も相性が悪いのがここです。

委託した場合、いくらかかるのか

住宅宿泊管理業務の委託料は法定ではなく、事業者が決めます。 宿泊売上の一定割合とする形が多く、清掃費を別に立てる場合もあります。

料金の出し方は事業者によってかなり違うため、見積もりを取るときは次の3点を分けて確認すると比較できます。

  • 管理委託料は売上の何%か、それとも定額か
  • 清掃費は委託料に含まれるか、別に1回いくらか
  • 緊急対応(深夜の苦情、設備の故障)が委託料の範囲か、都度請求か

当サイトでは国土交通省の登録簿をもとに全国の住宅宿泊管理業者を掲載しています。 料金は登録簿には載っていないため、各社に直接お問い合わせください。

住宅宿泊管理業者の一覧・検索

「自分でやる」を選ぶ前に確かめること

自分で管理する形を選べる場合でも、次の2つは先に確認しておくほうが安全です。

1つ目は、上乗せ条例。 都道府県・市区町村が独自に営業日数や区域を制限していることがあります。 京都市のように住居専用地域での営業期間を限定している自治体もあります。

2つ目は、管理規約。 分譲マンションでは、規約で民泊を禁止しているケースが多数あります。 規約に定めが無い場合でも、管理組合の総会で禁止が決議されることがあります。

規約で禁止されていた場合、届出そのものが通らないわけではない。 届出は法律上の手続きで、規約は private な取り決めだからだ。 ただし規約違反を理由に管理組合から差止めを求められた事例はあり、 届出が通ったことは「やってよい」の答えにはならない。

本記事は住宅宿泊事業法と国土交通省等のガイドラインに基づいて整理した。 個別の可否は、届出先の都道府県・保健所に確認してほしい。


お住まいの地域の住宅宿泊管理業者を探す

国土交通省の登録簿にもとづき4,658社を掲載しています。登録番号・登録年月日で照合しながら比べられます(掲載は無料・費用の有無で並び順は変わりません)。

都道府県別・住宅宿泊管理業者データベース →

民泊の始め方・管理委託の基礎はこちら → 民泊の始め方(届出から開業まで)

30秒で無料相談する