相場は宿泊売上の15%から。ただし「何の15%か」は会社によって三通りある

公開: 2026-08-24|運営: ubusuna works

この記事の結論

管理手数料の料率は宿泊売上の15%からが多数です。ただし料率を掛ける対象が会社ごとに違い、宿泊売上そのものか、清掃費を引いた額か、清掃費とOTA手数料を引いた額かで、同じ15%でも実額が変わります。定額制(1室あたり月◯円)を採る会社もあります。

誰向けか: 複数の管理会社から見積もりを取り、金額を横に並べて比べようとしている民泊オーナー様

  1. 見積もりの料率が、何を分母にした料率なのかを書面で確かめる
  2. 清掃費・OTA手数料・水道光熱費が手数料に含まれるか、別請求かを確かめる
  3. 定額制の見積もりは、想定する月の宿泊売上で料率制に換算して比べる

見積もりを三社から取った。15%、15〜20%、16.5%。近い数字が並ぶ。あとは業務内容で決めればいい、という結論になりかけている。

その三つは、同じものの値段ではない。

15社が答えた料率は、下限がほぼ一点に集まる

民泊ビトでは、掲載している住宅宿泊管理業者ご本人からご回答をいただいた項目だけを掲載している。2026年8月時点で、管理手数料を書いてくださった会社は15社ある。料率を明示した12社を、数字の小さい順に並べる。

会社所在回答された手数料
株式会社39コーポレーション東京都宿泊売上の15%
株式会社シーテクホールディングス東京都宿泊売上の15%
アウルプロパティ東京都宿泊売上の15%、または1室あたり月額1,100円
ディアナ静岡県宿泊売上の15%〜(管理内容に応じて変動)
株式会社SpaciaNet Japan大阪府宿泊売上の15%〜(オンライン運用のみは10%〜)
株式会社エアサポ東京都宿泊売上の15%〜20%
ユー・アイホーム株式会社東京都(OTA売上 − 清掃費) × 15〜20%
DECOSTE大阪府宿泊売上の15%〜20%(OTA売上 − 清掃費 × 15%〜20%)
株式会社Leaneve東京都宿泊売上の15%〜25%
株式会社ビッグスペース東京都宿泊売上の15%〜25%
株式会社Life Solution Partner東京都(宿泊売上 − 清掃費 − OTA手数料) × 16.5%(税込)
旅タイム株式会社大阪府宿泊売上の20%

12社のうち10社は、下限が15%で揃っている。残りは16.5%と20%で、いずれも15%を下回らない。上限のほうは20%どまりの会社と、25%まで開く会社に分かれる。「相場は15%から」という言い方は、この範囲では正しい。

正しいのだが、この表を横に読んでも、自分がいくら払うことになるかは出てこない。

15%を掛ける相手が、三通りに分かれている

表の三列目をもう一度見ると、料率そのものより先に、料率が掛かる金額のほうが揃っていない。

一つめは宿泊売上そのものに掛ける形。39コーポレーション、シーテクホールディングス、アウルプロパティ、エアサポ、Leaneve、ビッグスペース、旅タイム、ディアナ、SpaciaNet がこの書き方をしている。

二つめは清掃費を引いてから掛ける形。ユー・アイホームが「(OTA売上 − 清掃費) × 15〜20%」と括弧付きで明記している。DECOSTE の回答は括弧の位置が一通りに読めないため、この型に数えていない。

三つめが Life Solution Partner の「宿泊売上から清掃費とOTA手数料を引いた金額に対して16.5%」で、引くものが二つある。料率は15%の会社より1.5ポイント高いのに、掛ける相手はこの表の中で最も小さい。

数字を入れてみる。ここから先は仮の数字で、実際の物件とは違う。月の宿泊売上を30万円、清掃費を月6万円としよう。OTA側の手数料はサービスと契約の形で幅があるので、ここでは宿泊売上の3%(9,000円)と置く。

  • 宿泊売上に15% → 45,000円
  • (30万 − 6万) × 15% → 36,000円
  • (30万 − 6万 − 9千) × 16.5% → 38,115円

一番安い形と一番高い形の差は月9,000円。年に直すと約10万8千円になる。料率の数字だけを見て「15%が最安」と決めていたら、実際には最も高い形を選んでいたことになる。

もっとも、この差を「損」と呼ぶのは早い。清掃費を分母から引く会社は、清掃を自社の売上として別に立てているかもしれず、その場合は清掃費そのものの単価を並べないと比較にならない。分母が小さいことと、支払総額が小さいことは同じではない。

定額制は、月の売上がいくらを超えるかで有利不利が入れ替わる

料率ではなく定額で答えた会社もある。株式会社BlueSeagull の1室あたり月額29,700円がそれで、売上がいくらでも金額が動かない。

定額と料率は、ある売上で釣り合う。29,700円 ÷ 0.15 は198,000円。月の宿泊売上が19万8千円を超えるなら、29,700円の定額のほうが安い。下回れば料率のほうが安い。稼働が読めない立ち上げ期は料率、回り始めてからは定額、という順で得になる。

キタチカラ財託株式会社の「月額固定費1万円から+宿泊売上の10%から」は、この両方を足した形である。固定費のぶん、売上ゼロの月でも1万円は出ていく。代わりに料率は10%から。先ほどの仮の売上30万円で、どちらも下限どうしを置けば4万円になる。両方に「から」が付いているので、実際はここから上振れする。

料率の差は、たいてい業務範囲の差である

15%と25%の間には10ポイントの開きがある。15社のうち、この差の中身まで書いているのは SpaciaNet だけである。

通常は15%〜だが、オンライン運用のみなら10%〜。現地に人が動く部分を外せば5ポイント下がる、という内訳がそのまま見えている。

上限が25%まで開く会社は二社ある。Leaneve は対応業務の欄が「運営代行(フルサポート)」の一項目、ビッグスペースは運営代行に加えて清掃・衛生管理、緊急時・苦情対応、別荘管理、OTA運用代行の五項目。同じ「15%〜25%」でも、25%を払ったときに戻ってくるものの数が違う。PROGRESS WORKS は料率を書かず「エリア・物件規模・業務内容により異なるため個別お見積もり」と答えている。物件ごとに引き受ける範囲が変わる会社にとって、一つの数字を出すことは実態を歪めることになる。

上の表も、業務範囲の欄を持っていない。安い順に読んだ時点で、消えているものがある。

見積もりを受け取ったら、確かめるのは一行

三社から届いた見積もりを比べるとき、最初に揃えるのは金額ではなく分母である。

その料率は、何に対する料率ですか。清掃費とOTA手数料は、引いた後ですか、引く前ですか。

管理受託契約を結ぶ前に、業者は「報酬並びにその支払の時期及び方法」を書面で交付して説明する義務を負う(住宅宿泊事業法第33条第1項、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則第14条第4号)。料率だけでは、報酬の額は決まらないのである。分母を書かない書面は、この号を満たしたことにならない。口頭で「だいたい15%です」と言われた段階では、まだ何も決まっていない。

同じ規則の次の号には、報酬に含まれない費用も説明事項として並んでいる(第14条第5号)。水道光熱費、消耗品代、リネンの実費。書かれていなければ、確かめが足りないのではなく、書面のほうが足りていない。

冒頭の三社に戻る。15%、15〜20%、16.5%。この三つを比べるために足りなかったのは、四つめの見積もりではなく、それぞれの分母を書いた一行だった。


この記事で引用した手数料は、民泊ビトに掲載している住宅宿泊管理業者ご本人からいただいた回答(2026年8月時点)である。当サイトは推定で数字を埋めない。回答のない項目は空欄のまま掲載している。

記事で取り上げた13社は、いずれも無料掲載で、掲載料のお支払いはない(2026年8月24日時点)。当社は、無料掲載の事業者へお繋ぎしたご相談が受託契約に至った場合に成約手数料を申し受ける。その条件は広告・掲載ポリシーに書いてある。

ご本人の確認が取れている会社は、確認済みの会社一覧から見られる。


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