民泊の宿泊者名簿、何を記録すればいい?本人確認と保存期間の実務
公開: |運営: ubusuna works
住宅宿泊事業を始めると、届出住宅ごとに宿泊者名簿を作成し、備え置く義務が発生します。日々の運営の中では消防設備や180日ルールに比べて後回しにされがちですが、宿泊者トラブルや事件が起きた際に警察・行政から最初に確認されるのがこの名簿です。「何を記録すればよいか」を運営開始前に整理しておきましょう。
名簿に記載すべき項目
宿泊者名簿には、宿泊者ごとに次のような事項を記載する必要があります。
- 宿泊者の氏名・住所・職業
- 宿泊日(何月何日に宿泊したか)
- 外国人観光旅客で日本国内に住所を有しない者については、国籍および旅券(パスポート)番号
これらは家主自身が記録してもよく、家主不在型で住宅宿泊管理業者に管理を委託している場合は、管理業者が業務の一環として代行することが一般的です(管理委託の義務で解説した「宿泊者名簿の作成・備置」がこれに当たります)。
外国人宿泊者は旅券の確認が必須
日本国内に住所を持たない外国人宿泊者を泊める場合は、旅券(パスポート)の提示を受けて確認し、名簿に国籍・旅券番号を記載する必要があります。実務では、チェックイン時に旅券の写し(コピーまたは撮影データ)を取得し、名簿と合わせて保存している事業者が多くなっています。
インバウンド需要が多い立地の民泊では、この確認をチェックイン方法(対面か、非対面のスマートロック等か)とセットで設計しておくことが重要です。非対面チェックインを採用する場合、オンラインで旅券画像を事前送付してもらう運用にするなど、確認手順を仕組み化しておかないと、現場で確認が漏れるリスクが高まります。
記録はいつまで保存するか
宿泊者名簿は、作成して備え置くだけでなく、一定期間の保存が求められます。保存期間や様式の詳細は改正・運用の変更が入ることがあるため、最新の要件は国土交通省・観光庁の「民泊制度ポータルサイト」で必ず確認してください。「去年はこうだったから」という認識のまま運用を続けるのはリスクがあります。
名簿の備え置き場所・提示義務
宿泊者名簿は、都道府県知事等(保健所設置市等を含む)から提示を求められた場合に、速やかに提示できる状態で備え置く必要があります。備え置き場所は届出住宅そのものだけでなく、委託している住宅宿泊管理業者の営業所とする運用も見られますが、いずれの場合も「求められたらすぐ出せる」体制になっているかがポイントです。管理業者に委託している場合は、契約時に名簿の保管場所と、提示要請があった際の対応フローを確認しておくと安心です。
記録の不備が招くリスク
名簿の記載が不十分だったり、旅券確認を省略していたりすると、行政からの指導対象になるだけでなく、宿泊者が事件・事故に関与した際に本人特定ができず、近隣トラブルの解決や捜査協力に支障が出ることがあります。180日の日数管理や消防設備と同じくらい、運営の土台になる義務だと考えておくべきです。
チェックリスト
- 宿泊者ごとに氏名・住所・職業・宿泊日を記載する運用になっているか
- 外国人宿泊者について、旅券番号の確認・記載の手順が決まっているか
- 非対面チェックインの場合、旅券確認をどう行うか設計済みか
- 委託先(管理業者)がいる場合、名簿の保管場所と提示対応フローを契約で確認したか
- 最新の記載事項・保存期間を国土交通省・観光庁の公表資料で確認したか
※ 本記事は住宅宿泊事業法・観光庁「民泊制度ポータルサイト」公表資料に基づく一般的な解説です。記載事項・保存期間等の詳細は法改正・運用変更により変わることがあるため、必ず最新の一次資料でご確認ください。
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