住宅宿泊管理業者は、何をどこまでやる会社なのか

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

住宅宿泊管理業者(民泊の運営管理を請け負う、国に登録した事業者)は、宿泊者への対応・清掃・衛生管理・近隣からの苦情対応などを、オーナーに代わって行います。登録が無いとできない仕事があり、丸投げの再委託は禁じられています。

誰向けか: 民泊を始めるにあたって、管理を任せる会社を探しているオーナー

  1. その会社が国の登録を受けているか(登録番号があるか)
  2. 任せたい業務が契約に含まれているか
  3. 再委託がある場合、どこまで任せるのかが書かれているか

民泊の代行業者を探すと、清掃代行、予約サイトの運用代行、鍵の受け渡し代行、 そして住宅宿泊管理業者が、同じ検索結果に並んで出てくる。

見た目のサービス内容も似ている。料金の出し方も似ている。 ところがこのうち1つだけが、国の登録を受けなければ名乗れない。 違いを知らずに契約すると、届出そのものが通らないことがある。

登録がないとできない仕事がある

住宅宿泊事業法(民泊新法)は、住宅宿泊管理業を営む者に国土交通大臣の登録を義務づけている。 無登録で管理業務を受託すると、同法73条により1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、 またはその両方が科される。

出典: 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号) https://laws.e-gov.go.jp/document?lawid=429AC0000000065

清掃だけを請け負う会社、予約サイトの運用だけを請け負う会社は、登録の対象ではない。 これらは管理業務のうちの一部を、事業者の手足として実施しているにすぎないからだ。 逆に言えば、「管理業務全体を任せる」形で契約した時点で、相手には登録が要る

家主不在型で民泊を届け出るとき、届出書には委託先の住宅宿泊管理業者の 商号と登録番号を書く欄がある。ここに書けない相手と契約していると、届出の段階で止まる。

法律が定めている業務の中身

住宅宿泊管理業者が受託するのは、住宅宿泊事業法5条から10条が事業者に課している業務である。

宿泊者の衛生の確保。居室の清掃と寝具の交換が中心になる。

宿泊者の安全の確保。非常用照明器具、避難経路の表示、火災時の通報体制。 建物の構造によっては、消防法上の設備が別に要る。

外国人観光客への対応。設備の使い方、交通手段、緊急時の連絡先を外国語で説明する。 「外国語」は英語に限らず、実際に来る宿泊者の言語で用意することが求められている。

宿泊者名簿の備付け。3年間の保存が要る。本人確認は対面かICTを使った方法で、 顔と旅券を照合する必要がある。鍵の受け渡しを無人化していても、この工程は省けない。

周辺住民への悪影響の防止。騒音とごみ処理の説明が中心になる。

苦情への対応。ここだけ時間帯の制限がない。深夜でも早朝でも応じる必要がある。 実務でいちばん重いのはこの項目で、委託する動機の大半もここにある。

標識の掲示。届出住宅の見やすい場所に掲げる。

再委託の扱いに、ひとつ制限がある

住宅宿泊事業法35条は、住宅宿泊管理業者が管理業務の全部を他人に再委託することを禁じている。 一部の再委託は認められている。清掃だけを地域の会社に出す、といった形は問題にならない。

契約前に確かめておきたいのは、苦情対応を誰がやるかである。 名前の知られた管理業者と契約したつもりが、実際の対応は別会社の 自動応答だった、という形になっていないか。契約書に再委託の範囲が書かれていない場合は、 書いてもらったほうがいい。

登録の有無を自分で確かめる

国土交通省は住宅宿泊管理業者の登録簿を公開している。 商号と登録番号が載っているので、契約前に照合できる。

登録番号は「国土交通大臣(01)第F00001号」の形をとる。 括弧の中の数字は更新の回数で、(02) なら5年の更新を1度通っている。 2018年の制度開始から数えると、(02) 以上の業者は5年以上続けていることになる。 続いていることが品質の保証にはならないが、 届出直後に消える業者と、更新を通った業者を区別する材料にはなる。

当サイトでは、この登録簿をもとに全国の住宅宿泊管理業者を掲載している。 都道府県から絞り込める。

住宅宿泊管理業者の一覧・検索

料金を比べるときに分けて聞くこと

管理委託料は法定ではない。宿泊売上の一定割合とする形が多いが、定額の会社もある。 比べにくいのは、含まれる範囲が会社ごとに違うからだ。

分けて聞くと比較できるようになる項目が3つある。 委託料は売上の何%か、それとも定額か。清掃費は委託料に含まれるか、1回いくらの別建てか。 深夜の苦情対応や設備故障の一次対応は、委託料の範囲か都度請求か。

3つ目を書いていない見積もりが多い。書いていない場合、 呼べば来るが1回あたり数千円から1万円台が加算される、という運用になっていることがある。 年に数回なら誤差だが、繁忙期に集中すると効いてくる。

料金は登録簿には載っていない。当サイトの掲載情報も登録簿からの転記なので、 金額は各社に直接確認してほしい。

何社に、どんな順で聞けばいいか決めかねる場合は、無料相談で状況を伝えれば、条件に合う会社を当方からお伝えする。

本記事は住宅宿泊事業法および国土交通省の資料に基づいて整理した。 個別の可否は、届出先の都道府県・保健所に確認してほしい。


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