「Airbnbに載せる」と「管理を委託する」は別の話 ― 住宅宿泊仲介業者と住宅宿泊管理業者の違い

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

Airbnbなどへの掲載(住宅宿泊仲介業・観光庁長官登録)と、管理業務の委託(住宅宿泊管理業・国土交通大臣登録)は、法律上別の登録に基づく別の行為です。家主不在型の委託義務は、予約サイトへの掲載では満たせません。

誰向けか: 「予約サイトに載せれば管理も任せたことになる」と考えている民泊オーナー様

  1. 委託予定の相手が住宅宿泊管理業の登録番号を持つか、登録簿で照合する
  2. 仲介業者への掲載と、管理業務の委託を別々に契約しているか確認する
  3. 家主不在型にあたるか(管理委託の義務があるか)を確認する

「もうAirbnbに載せたので、準備は終わっているはずです」。家主不在型で民泊を始めたいという相談の多くが、この一言から始まる。予約サイトへの掲載画面を最後まで通しているので、無理もない。

だが、そこで終わっていないことが一つある。住宅宿泊事業法が求める管理業務の委託先が、まだ決まっていないという事実だ。予約サイトへの掲載と、法律が求める管理の委託は、根拠となる登録そのものが別である。

「載せる」側と「任せる」側は、登録の出どころが違う

住宅宿泊事業法第2条第8項は、宿泊者のために契約の締結を代理・媒介・取次ぎする行為、および住宅宿泊事業者のために宿泊サービス提供の契約を代理・媒介する行為を「住宅宿泊仲介業務」と定義する。同条第9項は、旅行業法上の旅行業者以外の者が報酬を得てこの業務を行う事業を「住宅宿泊仲介業」と呼ぶ。Airbnbのような予約プラットフォームは、この仲介業に当たる。

一方、届出住宅の衛生確保・安全確保・宿泊者名簿の備付け・近隣への説明・苦情対応といった実務(同法第5条〜第10条)を担うのが住宅宿泊管理業者である。当サイトが一覧・比較の対象にしているのは、こちらの管理業者だ。

同じ「民泊会社」という括りで語られがちだが、登録先からして違う。仲介業は観光庁長官の登録(同法第46条)、管理業は国土交通大臣の登録(同法第22条)である。監督官庁が分かれているということは、法律上、別の業種として設計されているということでもある。

住宅宿泊仲介業者(Airbnbなど)

宿泊者と家主の間で、予約契約の締結を仲立ちする。観光庁長官の登録。手数料は予約成立に対して発生する。

住宅宿泊管理業者

家主から委託を受け、清掃・鍵の受け渡し・苦情対応など届出住宅そのものの管理業務を行う。国土交通大臣の登録。

登録は66社、有効期間は5年

観光庁が公表する住宅宿泊仲介業者の登録一覧には、2026年6月22日時点で66社が掲載されている。Airbnb Global Services Limited(登録番号S0001)、Booking.com B.V.(同S0044)、Expedia, Inc.(同S0106)、Agoda Travel Services Pte. Ltd.(同S0118)、HomeAway.com, Inc.(同S0131)など、海外の大手プラットフォームが番号の若い側に並ぶ。国内の中小事業者も含めて66社という数は、住宅宿泊管理業者の登録数(国土交通省の名簿で数千単位)と比べるとかなり少ない。登録の有効期間は5年で、住宅宿泊管理業者の登録と同じ年数である。

ここが大事

予約サイトに掲載できることと、届出住宅の管理を任せられることは、別の登録に基づく別の行為である。Airbnbへの掲載が完了していても、住宅宿泊事業法上の管理義務は消えない。

家主不在型なら、委託義務は仲介業者では埋まらない

住宅宿泊事業法第11条は、居室数が省令で定める数を超えるとき、または宿泊させている間に家主が不在になるとき、管理業務を「一の住宅宿泊管理業者」に委託しなければならないと定めている。ここでいう委託先は住宅宿泊管理業者に限られる。仲介業者に予約業務を任せていても、この義務は満たされない。

考えてみれば当然ではある。仲介業者は宿泊者との契約を取り次ぐ立場であって、届出住宅の衛生や安全に責任を持つ立場ではない。ゲストからの深夜の問い合わせや、鍵の受け渡しのトラブルに現地で対応するのは、予約サイトの運営会社ではなく、委託を受けた管理業者のほうだ。

家主居住型で、宿泊させている間ずっと自宅にいるつもりなら、この委託義務自体が発生しない場合もある。ただしその場合でも、第5条から第10条までの各義務は家主自身が負ったまま残る。誰かに任せるかどうかは選べても、義務そのものは消えない。

住宅宿泊管理業者を探すなら、住宅宿泊管理業者の一覧・検索から、登録済みの事業者を条件で絞り込める。候補を自分で絞り込む時間が無ければ、無料相談から条件を伝えて、対応可能な管理業者を確認してもらう方法もある。

出典: 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第2条・第11条・第22条・第46条 https://laws.e-gov.go.jp/law/429AC0000000065 、厚生労働省法令等データベースサービス(住宅宿泊事業法全文)https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=68ab5981&dataType=0&pageNo=1 (2026-08-18取得)、観光庁「住宅宿泊仲介業者リスト」(国土交通省 民泊制度ポータルサイト)https://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/business/mediation/list.html (掲載データ時点: 2026-06-22、2026-08-18取得)。


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