民泊管理の見積もり比較|3社にそろえて聞く費用・清掃・現地対応
公開: |更新: |運営: ubusuna works
この記事の結論
民泊管理の見積もりは、同じ物件・宿泊売上・清掃回数を伝え、管理料、最低月額、清掃・リネン、OTA費用、現地出動を分けて比べます。最初に、その住所で必要な業務を受託できるかを確認してください。未回答の費用は0円と扱わず、契約前に書面で確かめます。
誰向けか: 民泊の開業準備中、または管理会社の変更を考え、複数社の見積もりを比較したいオーナー様
- 物件の住所・広さ・運営形態と、委託したい業務を各社へ同じ内容で伝える
- 歩合の計算対象、最低月額、清掃1回の料金、税込・税別をそろえる
- 対応できない業務・追加料金・解約や引継ぎの条件も書面に残す
管理料15%の会社と、月額固定費に売上歩合を足す会社。見積もりの書き方が違っても、同じ売上と清掃回数を入れれば、支払額を比較できます。ただし、先にそろえたいのは引き受けてもらう仕事です。清掃や夜間の現地対応が別なら、管理料の低さだけでは委託先を決められません。
以下は住宅宿泊事業法に基づく民泊の管理委託を中心にした比較手順です。旅館業許可による簡易宿所などは、適用制度を各社に伝えたうえで見積もりを依頼してください。
最初に、物件の住所で受託できるかを確かめる
「全国対応」「県内対応」という表示があっても、清掃や駆けつけまで全域で受けられるとは限りません。所在地、建物の種類、面積、定員、開業時期を伝え、その物件で必要な体制を組めるか確認します。
家主不在型など、住宅宿泊事業法第11条に基づく委託が必要な場合は、法定の住宅宿泊管理業務を一つの登録業者へまとめて委託する必要があります。オーナーが清掃会社と契約すれば、それだけで法定管理も済むという仕組みではありません。管理業者による一部再委託は可能です。業務分担は自主管理と委託の範囲で整理しています。
料金比較へ進める候補は、必要な管理業務、清掃、現地対応をどの体制で引き受けるか答えられる会社です。登録番号だけで個別の物件への対応可否まで確認したことにはなりません。
3社へ渡す前提を1枚にそろえる
購入・賃借の契約前でも、資料を使った概算相談が可能か問い合わせられます。受託可否や正式見積もりには現地調査が必要なこともあるため、概算の有効期限と、何が分かれば金額が確定するかを聞いておきましょう。
| 伝える項目 | 書き方と注意点 |
|---|---|
| 物件 | 所在地、戸建て・マンション等、面積、間取り、定員、駐車場。未確定は「未定」 |
| 検討段階 | 所有済み、購入・賃借前、開業済み。貸主の承諾などは確認済みと未確認を分ける |
| 運営形態 | 住宅宿泊事業、旅館業、特区民泊、または検討中 |
| 委託範囲 | 法定管理、予約・価格調整、清掃、リネン、備品補充、開業準備の希望 |
| 稼働の仮定 | 年間の宿泊日数、月別の売上見込み、清掃回数。予測であることを明記 |
| 開始時期 | 開業希望日や、既存管理会社からの切替希望日 |
清掃費を考えるときは、宿泊日数に加えてチェックアウト回数をそろえます。例えば、同じ20泊でも、2泊ずつ10組が泊まる場合と、5泊ずつ4組が泊まる場合では清掃回数が異なります。泊数だけを各社に渡すと、清掃費の前提が食い違います。
回答は「含む・別料金・対応不可・未確認」に分ける
空欄のままの料金は、無料という意味ではありません。見積もりに含むものは「含む」、別請求は単価と計算方法、対応できない仕事は「対応不可」としてそろえると、契約後の追加手配も見えてきます。
| 比較する項目 | 書面で確かめる内容 |
|---|---|
| 管理料 | 料率と計算対象。清掃代、返金、キャンセル料、OTA手数料をどう扱うか |
| 固定費・最低月額 | 固定費を加算するのか、歩合額と最低額の高い方を払うのか。売上ゼロの月の請求 |
| 清掃・リネン | 1回の単価、ベッド数・人数による追加、洗濯・配送、再清掃の負担 |
| ごみ・消耗品 | 回収、処分、補充の実費と作業料。自治体のルールに沿った処理方法 |
| 現地対応 | 対応する住所と時間帯、現地へ向かう体制、深夜・休日・交通費の加算 |
| OTA・予約対応 | 掲載、価格調整、問い合わせ、キャンセル処理の担当。OTAへの支払いは別に確認 |
| 開業時の費用 | 届出等の手続、写真、家具、鍵、システム初期設定の範囲と金額 |
| 契約終了 | 最低契約期間、解約予告、精算、予約・写真・鍵・アカウントの引継ぎ |
「24時間受付」は、24時間いつでも同じ時間で現地へ到着するという約束ではありません。電話やメッセージを受ける窓口と、実際に出動する担当を分けて確認してください。到着時間に目安がある場合も、距離・交通・天候等による条件を聞きます。
国土交通省の住宅宿泊管理受託標準契約書は、報酬と業務に要する費用を別に定めています。標準契約書は比較の参考となる様式で、各社の契約条件が必ず同じという意味ではありません。
仮の見積もりで、通常月と売上が低い月を比較する
以下は計算方法を示すために編集部が置いた架空の条件です。実在する会社の見積もりや料金相場ではありません。A案・B案とも必要な業務範囲が同じで、金額は税込、宿泊売上に清掃代を含めない前提とします。
| 条件 | A案 | B案 |
|---|---|---|
| 管理料 | 宿泊売上の15%、最低月額なし | 月額1万円+宿泊売上の10% |
| 清掃・リネン | 1回8,000円 | 1回8,000円 |
| 通常月:売上30万円・清掃8回 | 管理45,000円+清掃64,000円=109,000円 | 管理40,000円+清掃64,000円=104,000円 |
| 売上が低い月:売上10万円・清掃3回 | 管理15,000円+清掃24,000円=39,000円 | 管理20,000円+清掃24,000円=44,000円 |
| 予約がない月:売上0円・清掃0回 | この2項目は0円 | 固定費10,000円 |
この仮定では通常月はB案が5,000円低く、売上が低い月はA案が5,000円低くなります。固定費のある案とない案では、繁忙期だけを並べても年間の負担は分かりません。
表の合計は管理料と清掃費だけです。OTA手数料、水道光熱費、消耗品、保険、家賃・借入返済等は含めていないため、宿泊売上からこの合計を引いた金額を利益と呼ばないでください。実際の比較では、同じ業務範囲にそろえた各社の総費用を月別に計算します。
宿泊者から清掃代を別途受け取る場合も、受け取る金額と清掃会社へ支払う金額は両方記録します。清掃代を売上に含めるか、管理料の計算対象に含めるかは契約ごとに確認が必要です。
そのまま使える見積もり依頼文
未定の項目は空想で埋めず、「未定」「相談したい」と残して使ってください。
民泊の管理委託を検討しています。下記物件での受託可否と、概算見積もりをご案内いただけますでしょうか。
所在地・建物・広さ・定員:[記入]
所有・購入や賃借の検討状況:[記入]
運営形態・開始希望時期:[記入]
お願いしたい業務:[記入]
売上・宿泊日数・清掃回数の仮定:[記入/未定]
管理料の計算対象、固定費・最低月額、清掃・リネン、ごみ処理、OTA費用、現地出動、初期費用を分けてお知らせください。税込・税別、別途実費、対応できない業務、正式見積もりに必要な条件も分かる形でお願いいたします。
あわせて、解約予告と予約・アカウント等の引継ぎ条件をご教示いただけますと幸いです。
各社の回答を書き込むには、無料の見積もり比較シートが使えます。記入項目を全部埋めることは、相談の条件ではありません。
よくある質問
必ず3社から見積もりを取る必要がありますか?
3社は比較先を考えるための目安で、必須ではありません。必要な地域・業務に対応できる候補が少なければ、その候補で条件を確認します。数を増やすために対応範囲の合わない会社を含める必要はありません。
物件の契約前や、稼働日数が少ない計画でも相談できますか?
概算相談や小規模運営を受けるかは会社によって異なります。物件契約前であること、年間の予定日数、まだ決まっていない条件を伝えてください。受託可否と費用を確認し、自治体や消防等への確認も済ませたうえで物件契約を判断しましょう。
一番安い見積もりを選べばよいですか?
同じ業務範囲になっているかを先に確認します。安い案で清掃や緊急出動が除外されていれば、追加費用や別の手配が必要です。物件で必要な体制と、年間を通じた支払いを両方比べてください。
候補選びから相談したい場合は、民泊ビトの無料相談で、現在分かっている物件情報と希望する業務をお知らせください。条件に合う事業者へのお繋ぎをお手伝いします。各社の受託可否や金額は、個別の確認・見積もりで決まります。
出典・確認日
2026年9月18日確認。比較表・依頼文・計算例は編集部による整理で、行政の公式様式や事業者への実測調査ではありません。
料金体系そのものを詳しく確認したい方は管理手数料の計算対象の違い、契約書を受け取った方は管理受託契約の書面もご覧ください。
お住まいの地域の住宅宿泊管理業者を探す
国土交通省の登録簿にもとづき3,989社を掲載しています。登録番号・登録年月日で照合しながら比べられます(掲載は無料・費用の有無で並び順は変わりません)。
民泊の始め方・管理委託の基礎はこちら → 民泊の始め方(届出から開業まで)