見積書の「15%」を横に並べる前に ― 税・定額・非公開で18社は三つに割れる

公開: |運営: ubusuna works

この記事の結論

掲載社18社の費用の回答を形で数えると、料率(◯%)の数字を出したのが14社、1室あたり月額などの定額・固定費を含むのが3社、非公開または個別見積もりが2社でした。税込・税別を明記したのは2社だけで、残る16社の「15%」は税の扱いが分かりません。税別15%と税込15%では、支払う額が約1割違います。

誰向けか: 複数の管理会社から費用の回答をもらい、金額を並べて比べようとしているオーナー様。

  1. 提示された料率が税込か税別かを、書面で確かめたか
  2. 料率のほかに、月額の固定費・最低保証額・初期費用があるか
  3. 料率だけの会社と定額の会社は、月の売上がいくらを超えるかで有利不利が入れ替わる

3社に費用を聞いたら「15%」「15〜25%」「1室あたり月額29,700円」と返ってきた——という状態から、どれが安いかは決められない。単位が揃っていないからである。

当サイトは掲載社に費用を聞き、いただいた回答をそのままページに載せている。18社の回答を、金額ので数えた(2026-09-02集計)。

費用の答え方は三つに割れている

回答の形社数
料率(◯%)の数字を出した14
1室あたり月額などの定額・固定費を含む3
非公開・個別見積もりのみ2
費用の記載なし1

※料率と定額の両方を出した会社があるため、合計は18を超える。

料率で答える会社が多数だが、それだけではない。定額を含む3社の書き方はこうだった。

  • 月額固定費1万円から+宿泊売上の10%から
  • 宿泊売上の15%、または1室あたり月額1,100円
  • 1室あたり月額29,700円

3つとも意味が違う。1つ目は固定費と料率の足し算、2つ目はどちらかを選ぶ形、3つ目は料率が無い。同じ「定額」でも、売上が動いたときの効き方が正反対になる。

分岐点を自分で出す

料率15%の会社と、1室あたり月額29,700円の会社を比べるなら、29,700 ÷ 0.15 = 198,000月の売上が19万8千円を超えると定額のほうが安くなる。下回れば料率のほうが安い。自分の想定売上をこの式に入れれば、どちらが自分向きかは決まる。

税を書いていたのは18社中2社だった

2 / 18

これがいちばん見落とされる。18社のうち、費用の回答に税込・税別のどちらかを明記していたのは2社だけである。

  • 代行手数料 16.5%(税込)
  • 12〜18%(税別)

上の16.5%は、15%に消費税を足した数字である。つまり**この2社は同じことを言っている可能性がある。**税込16.5%と税別15%は、支払う額が同じになる。

残る16社の「15%」がどちらなのかは、回答からは分からない。分からないまま横に並べると、**税別の会社が1割ぶん安く見える。**月の売上が30万円なら、15%は45,000円、税込にすると49,500円。差は4,500円で、年間では54,000円になる。

1行で確かめる

「ご提示の◯%は、消費税を含んだ数字でしょうか。含まない場合の税込の額も教えてください。」——この1行を全社に同じ文面で送る。各社が別々の前提で答えている状態のまま比べても、順番は決まらない。

「非公開」「個別見積もり」は、答えを拒んでいるわけではない

2社が料率を出さなかった。理由も書いてある。

エリア・物件規模・業務内容により異なるため個別お見積もり

料率を出した会社の中にも、同じ趣旨を添えている社がある。「物件の規模・所在地・委託業務の内容により個別にお見積り」「物件規模や売上により協議の上決定」。幅で答えた会社(15%〜25%、10%〜20%)も、実質は同じことを言っている。

つまり公表されている数字は、多くの場合下限である。当サイトが掲載している数字も、そのまま自分の物件の金額になるとは限らない。相場としてこの数字を持ち出さないほうがよい理由がここにある。

この記事が扱っていないこと

料率が同じでも、何に掛けるかで実額が変わる。宿泊売上そのものに掛ける会社、清掃費を引いた額に掛ける会社、清掃費とOTA手数料を引いた額に掛ける会社がある。この分母の話は相場は宿泊売上の15%から。ただし「何の15%か」は会社によって三通りあるに分けて書いた。

料率に含まれる業務の範囲については管理会社を比べる10項目 ― 法定業務を数えても差がつかないにまとめている。法律が全社に課している業務を数えても差は出ない、という話である。

並べる前に揃える3つ

  1. 税。 税込か税別か。1割違う
  2. 固定費。 料率のほかに月額・初期費用・最低保証があるか
  3. 分母。 何に掛けた数字か(上の記事へ)

この3つを揃えて聞き直すと、はじめて金額が横に並ぶ。聞き方の雛形は見積もりを3社から取るとき、同じ条件で聞く5行に置いた。自分で3つを聞き直す時間が無ければ、無料相談に希望条件を伝え、税込表示まで確認できた会社をお伝えすることもできる。

数え方

  • 対象は当サイト掲載4,658社のうち、確認のご返信で費用を書いてくださった18社(うち1社は費用欄が空)
  • 「料率の数字を出した」は回答に ◯% の表記があるもの、「定額・固定費を含む」は「月額」「1室あたり」「定額」の語があるもの
  • 18社は掲載社全体の0.4%にあたる。相場を示す数ではない
  • 分岐点の計算(198,000円)は、公表された2社の数字を割っただけのもので、実際の契約条件を示すものではない

出典

  • 当社データ(掲載4,658社。うち費用のご回答をいただいた18社の記載を集計) 集計日2026-09-02
  • 各社の費用は自己申告であり、当サイトが検証したものではありません。実際の金額は物件ごとの見積もりによります
  • 消費税率は2026年9月2日時点で10%として計算しています

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